イカ(squid)

英会街下水道内では、何やら騒動が起こっていた。

「……来い！フィッシュマン！」

「ここまでか…あんたが怖いんじゃなく、その売れ残ったスタイルが怖いんだ！」

海賊王に翻弄された悔しさを晴らすため、飲んで騒ぐ魚人種たちの中に、謎の存在が紛れ込んでいた。

「イカ」

その名の呪文を唱えると、足もとに不気味な肉塊が集まってくる……イカの怪物である。

それが、プレイヤーAのキャラクターだ。

彼は、怪物を扱う際には一切話さない二十歳くらいの男性。

彼が何者なのか、その目的は何か……誰も知らない。

だが、それが彼であると知っている特殊任務部隊は、一蹴するほどの戦力になっていると聞く。

一方のプレイヤーBは、ハート・クラーケンEX・Nという「海洋アイドル！」。

街の人々を魅了し、自分の街として変革することを目的としているようだ。

そんなBを倒すため、Aは英会街下水道に急いで駆けつけた。

そこに現れたのは、女の子の姿をした巨大なクラーケンの怪物！　それこそがハート・クラーケンEX・Nである。

「くっくっく……。今日はあんたをこの楽園に落とし込むといいわ」

BとAが狭い下水道内で対峙する。

「あんたに好きに踊ってもらって、あたしは踊るだけなの。あんたが死ぬのはあんた自身の問題じゃないの」

Bは、ゆったりとした口調でアピールし、真っ赤な鱗が揺らめくその姿に、Aは一瞬途方に暮れてしまった。

しかし、これが仕事である。考えている暇はなかった。

いつの間にかBは、Aのことを魅了し、骨抜き状態にしていた。

Aも、何度か怪物の触手に絡まれて痛みを感じるが、やがて軟体動物である身体能力を発揮した。

触手をくぐり抜け、自らの腕を伸ばし、強引に攻撃を仕掛けた。

しかし、Bの反射能力は相当なもので、狭い下水道内でも攻防が繰り広げられた。

「言ったでしょう？　あなたは完全に私逢い中よ」

Bは、笑みを浮かべながら言った。

Aの攻め手は、すべて打ち負かされ、返り討ちにあっていた。

が、それでも彼は立ち上がることができた。

そして、Bの特殊能力に払拭された自分自身の心を思い出し、自己認識を取り戻した。

「イカ」

その一言が、彼に力を与えた。

自動で無限に増殖し、合体し続ける性質が、戦いの中で自分自身を再認識させてくれたのだ。

激しい攻防の中、Aはイカの能力を駆使し、Bを打ち倒した。

「勝ち:A」

「理由:イカの柔軟性、増殖性の高さが功を奏した。ハート・クラーケンEX・Nの魅惑的な特殊能力に魅了されるも、自己認識能力で自我を取り戻したAがイカの能力を駆使し、Bを倒した」

イカ

出力希望

性格